- 2008年05月01日
- 【絵】むーあにまるじゃないキャラクター / 【文】作者の個人的な話
素朴なくま達をパステルカラーで塗った。
この配色は、メディアアーティストの岩井俊雄さんが娘のロカちゃんのために作った
おもちゃの絵を参考にした。
先日、絵本やアート本・サブカル本が集められた匂い立つような古本屋で、
岩井俊雄さんの「いわいさんちへようこそ!」という本と再会を果たし、購入した。
(ずっと前、大型書店で見つけた時は、そっと本棚に戻した。)
岩井俊雄さんは、ニンテンドーDSソフト「エレクトロプランクトン」や、
ヤマハ「TENORI-ON」などの商品も作っているアーティスト。
プログラミングで光ったり鳴ったり回ったりするものを作る。
しかしこの本では、自分の娘と一緒に遊びたい一心で作り上げた、
手作りおもちゃの数々が紹介されているのだ。
ボール紙に色を塗って切り抜かれたペンギンやリス、きのこ……どれも可愛らしい。
「いわいさんちへようこそ!」をWEBにしたようなブログ 「いわいさんちweb」
「いわいさんちへようこそ!」の何が面白いのか、というと、
メディアアート界でその名を轟かせているあの岩井さんが、
家で思いっきりアナログな作品を作っている、という意外性がまず一つ。
「いや、でも岩井さんは、パラパラ漫画作ってるうちに、
新しいアニメーションを考えだしてメディアアートのほうにいったんでしょ、
だからもとはアナログ出発なわけで…」
とかそんなこと関係なく、ほんとに、
メディアアートに繋がらないほどのアナログっぷりなんである。
ギャップに驚かされる。
その点については、岩井さん自身もコメントを寄せているので興味深い。
二つ目は、岩井さんの絵に並んで、ロカちゃんの絵もいくつか載っていること。
まさに正真正銘の「子どもの絵」というやつで、貴重だ。
自分のために絵を描きまくっておもちゃを作るお父さんに影響を受けてペンをとる、幼児。
この先、どんな風に成長していくんだろう。
三つ目は、和まして和まして和まして泣かす、という構成。
愛溢れるおもちゃに、読む方は「自由に作るってなんだっけ」と考えさせられながらも、
癒され、浄化されていく。
そして最後に岩井さんのエッセイで、クライマックス。
まんまと泣いてしまった。
一冊の本として、構成がしっかりしてるなぁ、と思った。
装丁・ページのビジュアルも、おもちゃの温かみを伝える丁寧なデザイン。
ところで、いわいさんちには、今はゆゆちゃんという子もいるよう。
いわいさんちwebを見て知った。ロカちゃんはおねえさんになったんだ。
最近、何気なく教育テレビにチャンネルを合わせたら、
いわいさんちのおもちゃのかたつむりの絵が出て来た。
表参道のスパイラルに行ったら、TENORI-ONが置いてあった。
どっちもあるから面白い。
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ソフトの雰囲気をそのまま伝えるようなサイトで、わかりやすい。
「ツクッタヒト」というカテゴリーの中の「サクヒン」というのをクリックすると、
岩井さんが遠い昔に作ったパラパラ漫画〜メディアアーティストになってからの作品を
まとめた動画を観ることができる。
「DESIGNサイト」の方に入ると、文字を読まなくてもビジュアルと音で雰囲気がわかるので面白い。岩井さんがTENORI-ONを持った姿を映した写真も大きく載っている。
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