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安定収入なキャラクター Suica(スイカ)

(文章の最後に、むーあにまるのイラストも載ってます。)


今、キャラクター界で、他と大きく差をつけてビッグな存在がいる。
安定収入 Suicaだ。

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 Suicaとは、JR東日本のICカード「Suica」のPRキャラクターのこと。
 (PR用のオリジナルキャラクターではなく、もともとは、イラストレーターで
  絵本作家の坂崎千春さんが描いた、絵本の中に登場するペンギンらしい。)
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最近は、「モバイルSuica」のPRのために、
携帯電話をエレキギターに見立てたロック演奏などもやっている。
私は、そのSuicaを見かけるたびに、
「安定収入のくせに、ロックなんて…。あいつのは本当のロックじゃない!」
と、にがにがしい、うらやましい気持ちで見ている。

特に、ホームの自販機の側面に大胆にプリントされた姿は、うらやましい限りである。
愛らしい上に、白黒でコントラストが強いので、遠目でも目立つ。
自販機の壁面というメディアを制したのは、キャラクター界初じゃないだろうか。


JRがバックについてる。
これが最大の強みだ。

JRが何かの事情でイメージダウンしたり、衰退しない限り、安定生活が送れる。
人間に例えるなら、昔で言う、大手銀行に勤めるような、公務員になるようなもので、親が安心する結婚したいキャラクターといったところか。


安定収入の勝因を整理すると、次の3つが挙げられる。

1.露出が激しい
2.役に立ってる
3.もともと人気者の動物を起用

以下に解説してみたい。


【1.露出が激しい】

電車内の吊り広告、ホームに貼られるポスター。
これらを掲示するために、例えば、ミスタードーナツのポン・デ・ライオンなら
JRに対して高額の所場代を支払うことになる。
ところが、あのペンギンさん(Suica)はJR所属なので、
金の心配もなく、年がら年中ホームに居座ることができる。

「ざまあみやがれ」

と、Suicaが言っているかどうかは知らないが、
短期間でせわしなく退却する必要もないので、ゆとり生活なはずだ。
出張先ではない。あそこが文字通り、ホーム…。

その上、Suicaは通勤・通学で使う者にとっては毎日触れるもの。
これほど、年代も性別も趣味趣向もバラバラである大量の人間が、
毎日毎日、長期間にわたって目にするキャラクターがいるだろうか。

すさまじい宣伝効果だ。

季節もののキャンペーンキャラクターとは違い、息が長い。
「たれぱんだ」などの一時流行りまくってあっという間に消えるキャラクター、
「NOVAうさぎ」などの企業の低迷により転覆するキャラクターを尻目に、
今日もSuicaは、ギターをかきならす。


【2.役に立ってる】

SuicaのPRする「Suica」というサービスそのものが、かなり役に立っている。
そのへんの、ちょっと可愛い雑貨や娯楽品などにプリントされるキャラクターとは、実用性レベルが違う。
つまり、幅広い層に受け入れられることを意味する。
もともとキャラクター好きの女性や子どものみならず、
現実主義・機能性重視の人々にも、好感がもたれるだろう。

「Suica便利ですよね、うん。いいんじゃないですか。ペンギンも。」


【3.もともと人気者の動物を起用】

Suicaが勝ち組になった要因には、ペンギンという動物が選ばれたことが大きいだろう。

人間界での反則技は「子どもと動物」の起用と言われたりするが、
キャラクター界では「ペンギンとパンダ」じゃないかと思う。

ラッコ・コアラなどに出し抜かれることなく、長年、
人気者としての不動の地位を獲得しているペンギンとパンダ。
キャラクター化する前から、キャラクターのような存在なのだ。

生きてるだけでファンシー。

さらに、キャラクターとして起用した際のペンギン・パンダの強さは、
無彩色にあると思う。
白黒のおかげで、ピンクや黄色が恥ずかしいと思う男性にも、許容される。
ぼんやりした色は嫌いとか、派手な色は嫌いとかの、色の好みも関係なくなる。

Suicaめ…。
もうペンギンキャラには、ピングーがいるのにね。
ピングーかわいそうに…。

以上が、安定収入の勝因として私が感じた事柄である。

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Suicaの弱点があるとすれば、
JRといううしろだてがなくなると、存在できないこと。
JRに見限られると、命はない。
技術が進歩して、Suicaに代わる新しい乗車手段が生まれた場合にも、
Suica(ペンギン)はこの世を去ることになるだろう。
キャラクター単独で存在することができない。

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他にも、安定収入なはずのキャラクターがいる。
PASMO(パスモ)のピンクのロボットだ。
色は、マーケティングにより今一番みんなに好かれやすいピンク色が選ばれた。
どんなピンクがいいのかも、じっくり吟味されて作られたらしい。

ところが、Suicaに比べて、かなり影が薄い。
ポスターも少なく、PASMOのカード表面にも印刷されていない。

そんなPASMOが
「じつは、1枚でいける。」
というポスターで、Suicaとめでたく共演を果たしている。


よかったね!と、私はいつも微笑ましく見つめてしまうのだが、
Suicaと同列で並んでいるわりに、脇役のようになってしまっているのが切ない。
スターの輝きが足りないのだ。
Suica頼みというか、どうしても、Suicaの引き立て役になってしまう。

がんばれ、PASMO!

やっぱ、Suicaってすごいね!


Suimu

尊敬するSuicaになってみた、むーあにまる「Suimu」

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