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ホーメイ歌手 山川冬樹氏ライブパフォーマンス

先週、私が卒業した多摩美の情報デザイン学科(idd)の創立10周年記念イベント《iddX:宇宙パーティー》にて、ホーメイの日本一の使い手と評される山川冬樹さんのライブパフォーマンスを観る事ができました。


やっぱり凄かった…。
期待の数十倍、凄かった。


ちなみに、イベント自体は夜通し行われるもので、会場は六本木にあるクラブのようなディスコのような店。
お酒のみ、つまみ一切無し。天井にはミラーボール。
(しかし何故か、躍るのは禁止という店側の注意書き有。)
そんな中で、アーティストが本職の講師の方々や卒業生・現役生の一部がライブを行うというプログラムが組まれていました。
山川さんは、現在、多摩美idd(と、芸大・女子美)の非常勤講師をされているそうですが、私の在学中は助手さんとして勤務されていました。
助手さん時代も相当なカリスマ性を放っていて、延長コードを巻きとる姿も神々しかったのを覚えています。


私がこのイベントに参加した最大の目的が山川さんのライブで、期待値100で臨んだんですが、そりゃあもう、神懸かってました。
“イタコの口寄せを生で見てみたい”
という心の奥底にしまい込んでいた欲望が、今ここで満たされたと思いました。


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ホーメイとは、
低音と高音を同時に出して歌うことができるという喉歌。
音が二重に出るので、倍音というみたいです。
私の説明が的確かはわかりませんが、旋律としては低音がメインで、老人が絞り出すダミ声のような唸るような声を地響きが起きそうなド迫力の音量で響かせ、その声に絡み合う感じで口笛に似た音質の高音が重なります。

ホーメイについての詳細はこちらを→ホーメイとは
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山川冬樹さんは、ホーメイ歌手であり、身体を使ってパフォーマンス活動をするアーティスト。
この日のライブでは、骨伝導マイクを使った演奏もホーメイと同時に行われました。頭蓋骨を鳴らして、音をマイクでひろうという演奏法です。

骨伝導マイクやホーメイライブの映像を観られる山川冬樹さん公式HP
(「Sony Walkman commercial 2007」が、まさに骨伝導マイクとホーメイを同時に操ってる姿です。必見。)


私は思い切って最前列に行ったので、スタンバイ中の山川さんのくわーっと見開かれた瞳も間近で観れました。
こわい。でも観たい。
長い髪がめっちゃサラサラだ!
声出した、うわ〜っ、凄い。異空間。
一体ここはどこですか?


途中、助手時代に教授に怒られたエピソードを歌詞としてホーメイの歌に乗せ、場内が笑いに引き込まれましたが、普通の人間の喋る声とはあまりに違うので、まるで何者かが降臨したようにも感じられます。
ふと、イタコのことを思い出す。…そうだ、イタコみたいだ。


一緒に演奏していたドラムの方も凄い巧みで、どんどんボルテージ上がる。


すると、山川さんがおもむろに、ゆら〜っと立ち上がった。
マレーグマの動きに似ているけど、あんなにコミカルじゃない。
のっしのっし。
あっっ、こっち来る。
両肩をゆっくり後ろに倒し、軽くのけぞって静止、そしてくるりと向きを変えて、私のすぐそばに置いてあるシンバルに後ろ蹴りを入れた。
しまった!そうだった、これ鳴らすんだ!
すみません!どきます!!
パフォーマンスが小さくなってしまったら申し訳ない、と、慌てて少し離れる。


最後の方ではヘッドバンキングもあり、腰より下まで伸びたサラサラの髪が、ぐるんぐるん振り回されていました。
まさに、歌舞伎の、髪をブンブン振り回す「連獅子」の動き。
長い髪はこのように使われるんだ、と納得。


ホーメイの声も、頭蓋骨も、ドラムも高まるばかり。
うねる高波、大津波。おっきいぞー。
このまま倍音の波に抱かれたい、流されたい、いや、沈められたい。
もはや何がなんだか。六本木の夜。


クライマックスを迎え、ライブ終了。
あー凄かった。生で観れてよかった。
私がもっと歳をとっていたら、「長生きするもんだねぇ」と言うのかもしれない。

山川さんの出番が、電車のある時間で助かりました。
(原田大三郎さんのライブが観られなかったのは心残り。)

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