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「森ガール」をめぐる話 (アートディレクターの菊地敦己さんとスタイリストの大森伃佑子さんの公開対談より)

12月11日(土)に、菊地敦己 連続対談「つくるということ」 第3回 大森伃佑子(スタイリスト)@青山ブックセンター本店に行きました。


アートディレクターの菊地敦己(きくち あつき)さんと、スタイリストの大森伃佑子(おおもり ようこ)さんの公開対談。


大森伃佑子さんは、雑誌『オリーブ』でスタイリストとして世に出られ、現在も『装苑』『KIMONO姫』など雑誌を中心に活躍されている方です。


対談の2時間の間に色々なお話を聞けたのですが、
中盤に大森さんが切り出された「森ガール」をめぐる問題についてのお話が特に興味深かったので、Twitterでツイートしました。


個人的に今年は「森ガール」についてずっと気にかかっていたのです。
あ〜!ここに辿り着いたのか、と嬉しかったです。年末に聞けてよかった。


その感想ツイートを@uchikogaさんがTogetterにまとめて下さいました。
(初トゥギャられに感動!)



↓良かったらのぞいてみてください。私と同じようにモヤモヤと引っかかっている方は、頭の中を次に進められるかもしれないです。


Togetter- 菊地敦己×大森伃佑子「森ガールをめぐる話」



Twitterでも書きましたが、
この森ガール問題を話している時の大森さんの言葉には気持ちと熱がこもっていて、来て良かったなぁと思いました。



以下、蛇足的な私の話。

何かを伝えたい・広めたい時に、キャッチーでインパクトのある強い言葉がある方が届く。
けれども言葉が強くて魅力的だと、言葉が一人歩きして最初に込めた「何か」の中身が抜け落ちることもある…。


つまり「森ガール」問題は、
言葉の伝播・広める/広まるということ、
広く告げる「広告」の話に繋がっていきます。


今回の場合、
「森ガール」がスタイルを表す言葉だからこその難しさがあるなぁと思います。


例えば、デザートを「スイーツ」、スパッツを「レギンス」、ジーンズ・ジーパンを「デニム」などと新しい言葉で呼びなおして、こっちが今はオシャレなんですよ〜と打ち出すと、若い女の子達がオシャレなんだわと思ってこぞって買う。


まぁ単なるモノの名称の言い換えだから、部品的な分、罪深さは感じにくく、これはこれでモヤモヤしますが「スイーツ(笑)」とか言っていられる…。


けれども、「森ガール」の場合はファッションの一つのスタイルで、精神性を含んだ言葉。
しかもかつての「オリーブ少女」の言い換え(21世紀版・満を持しての生まれ変わり)でもあったわけです。
(「森ガールって、元々いたよね…?」という疑問が対談で晴れました。)


私の素人考えですが、ファッションは、単に見た目がオシャレとかカッコイイだけではなくて、何を好むのか何を良しとするのかという精神・思想を表現したものだと思うのです。
(※これ、個人の普段着の話ではなくて、ファッションショーの服とかスタイリストが作り出すスタイルについてです。こわいので念のため補足。)


「森ガール」は流行ったために、最初に込めた精神を欠いた状態でどんどん派生して関係のない新しいものが出来てしまった。
大事な気持ちが踏みにじられている、ファッション道がけがされている状態?
広めることには大成功したのだけど、中身が伝わらず悲劇がおきている。


大森さんと菊池さんも、スパッツが「レギンス」になって流行ってるだけならこんなに腹も立たないだろうと思うのです。
「森ガール」だからこそ…。


しかし外側からみれば、こんな検証もしたくなりますよね… >> もし森ガールがゆるゆるファッションで実際に『森』へ入ったら


さらに、「森ガール」は「○○ガール」という言葉そのものがキャッチーだった故に、グループ化の言葉としても遊ばれてしまっています。
「アキバガール」「OJIガール」「写ガール」などの新しい属性が続々と出てきているようです。
なんだかもうファッション用語ではなくて、「アラフォー」からの「アラ還」、「リア充」からの「非リア充」とかの派生と似てるなぁと思います。



ワッと広まった時の、制御の出来なさ具合。
マイノリティからマジョリティになった時の、トンガリのけずられ具合。


…ここまで書いてきて答えは出ないのだけど、
広告するということは難しいなぁと思うのでした。



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