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パパタラ小池氏×デザイナー葛西氏のトークイベントについての続編

舞台芸術の広告は、果たしてどうやって作られるのか?
どんな発注のされ方をするのか

ということについて、前回の記事「パパ・タラフマラ小池博史氏×グラフィックデザイナー葛西薫氏 トークイベント」では、前フリだけで、あまり内容に触れてなかったので、記憶を頼りにそこを書きます。


まず、小池さんが舞台の構想を練り、だいたいのイメージがつかめた頃に、
葛西さんを呼んで、打ち合わせをする。
そこでは小池さんが書いた脚本のゲラや、使いたい題材の資料などを
見てもらいながら、全体のコンセプトやイメージを説明するらしい。


葛西さんは、説明を一通り聞いたのち、小池さんの言った言葉の中で、
重要だと思えるキーワードを見つけて、それを中心にデザインのアイデアを考える。
説明で聞いた様々な情報は、いったん横に置いておく。


「小池さんのイメージと違ったらどうしよう」と不安ながらも、
出来上がったラフを、見せる。


毎回、小池さんは「えっ、こうきた!?」と驚くという。
予想とは違うことが多く、むしろ自分の予想を越えてくるのが面白いらしい。
若干の違和感を感じつつも、了解する。
葛西さんも「本番はこういう紙を使う予定で…」と言ってるから、
完成品見てみなくちゃわからないしな…と。


葛西さんは、ラフを作っては見せてを数回繰り返す。
その間、小池さんは葛西さんのビジュアルに影響を受け、
「そうそう、こういうことを俺はやりたかったんだ」と、
演出方法なども自然とそちらへイメージがちょっと寄っていく。


ついにグラフィック完成。
「へ〜こうなるんだ、やっぱりいいなぁ」と、
その頃には、小池さんが最初に感じた違和感はなくなり、
舞台とフライヤーがいい感じの相乗効果をもって、
連動するという。
これがコラボレーション。


池田さん曰く、コラボレーションというのは特別なことではなく、
誰かと一緒にやったら自然にそうなるはずだ、と。


………………………………

私が印象的だったのは、パパタラのロゴについての話で、
葛西さんがデザインしたのだけど、
「今後どんどん改良していきたいんですよね。」
と言った。そしたら池田さんが、
「うれしいなぁ。そういうこと言ってくれて。」
と言ったこと。


何かの制作を頼むと、一度作ったらハイこれで完成、
終わり、という人が多いんだけど、
ものを作るって本当は終わりが無い作業で、
時間とともにパパタラもどんどん変化していくし、
ロゴもそれに合わせて進化していっていいと思う、
というようなことを言っていた。
葛西さんが変えたいと言ってくれてうれしいと。
「だからこそ、10年以上も一緒に仕事できるんだろうけど。」


いったん作ったロゴを作り変えていく、という考え方は
私にとって発見だった。
ロゴって一回作ったらしばらくは変えないもので、変えるときには、
イメージ変えたいとか経営方針変わったからとか、そういった意図で、
変えるものだと勝手に思い込んでいた。
(趣味的なロゴや、毎回ロゴを変えるという設定のグラフィックは別にして。)
これも固定観念にしばられているんだなぁ。
たしかに、変わっていっても自然かも…。



パパ・タラフマラのロゴ

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