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田名網敬一・できやよい・束芋 個展巡り

先月末、田名網敬一さんの個展に行ったら、
表紙が田名網敬一さんの絵の無料情報誌が置いてあったので、
もらってきました。中をめくると、
できやよいさんの個展の宣伝記事が載っていて、
「そうだ、できやよいさんの絵を生で観てみたかったんだよな…」
と思い出す。それとは別に、束芋さんの個展も気にかかっていて、
ちょうど場所も近いので、今月初めにはしごして来ました。


それぞれの個展を巡るうちに、
できやよいさんは束芋さんとの二人展を過去に開催していて、
束芋さんは田名網敬一さんの元教え子だった、
という繋がりがあることがわかりました。
そしてお二人が教師と生徒だった舞台は、
京都造形芸術大学の情報デザイン学科。
多摩美の情報デザイン学科出身の自分ともなんとなく
リンクしていて、まとまりのある個展ツアーでした。




■田名網敬一「KANNOOON」展■(会期2/22まで)
NANZUKA UNDERGROUND(ナンヅカアンダーグラウンド)

上の写真の、田名網敬一さんオリジナルの観音菩薩像
(精巧に作られた大型立体作品で、素材感はフィギュア)と、
ミニチュア版の作品100体が一挙にまつられていて、
まわりには、ペインティング作品も展示されていました。
公式サイトには大きな画像が。
それはそれは、気持ちいい気持ち悪さ。桃源郷的空間でした。
行ってよかった!(公式HPの地図はわかりにくいですが…。)


山川惣治・田名網敬一「少年王者」展も同時開催。
山川惣治さんの原画と、田名網敬一さんが山川さんの原画を
用いて制作したシルクスクリーン作品が並んでます。
田名網さんによると、「少年王者」にはエロスが含まれていて、
子どもながらにその部分に惹かれていたとか。
山川惣治さんは、「少年ケニア」の作者でもあります。



■できやよい Exhibition■(会期2/14まで)
IAOファインアーツ銀座美術館

宣伝を見たとき、久しぶりにできやよいさんの名前を
見つけた気がしたのは、私がうとかったせいではなくて、
だいぶ長い間、絵を発表されてなかったみたいです。
「2003年以降、集中して作品を発表してなかったことが、
アジアンコンテンポラリーブームに巻き込まれずにすんだ
貴重な作家になった。」とあります。
18歳で絵を描き始め、23歳で「ヴェネツィア・ビエンナーレ」出品
という異例のスピードで世に出た人らしい。そして大阪人。


IAOファインアーツの入口まで辿り着くと、
洋間のような扉があり、脇にはインターフォンがありました。
これを押して入るべきなのかしばし迷いましたが、
押さずに入りました。
入ると、女性がパソコンで何か作業していました。
(こちらは完全に放置される。そういうものなのかも。
あるいは、絵を買いそうにないからかな。)
作品を飾っている壁にダンボールがたてかけてあったので、
一瞬、入っちゃいけない状態かと焦る。
奥では来客と語らう男性の方の声が聴こえています。
絵は細かくて色が奇麗でした。紙粘土の立体も気になりました。


来客がお帰りになった後、
オーナーらしき方にお声を掛けられました。
「あなたも絵を描く人?」と尋ねられ、
「はい…」とこたえると(あまり描いてないけど)、
「絵を描くよね。絵を描く顔してるもん。」
とおっしゃいました。
顔…と言っても、風邪予防のためにマスクを装着していたので、
鼻も口も隠れていて、目の辺りしか出てない状態でした。
でも、そういうことじゃないのかもしれないですね。
絵を描く顔というものがあるだなぁ。




■束芋「ハウス」■(会期2/14まで)
ギャラリー小柳

こちらはコンクリートうちっぱなしのギャラリーでした。
広めで、迷路っぽい作りで、ひんやりした雰囲気。
束芋さんの作品と合ってました。


会場に置いてあった、展示の小さなリーフレットを開くと、
ぎっしり文章が載っており、一行目に
「私と束芋の最初の出会いは1995年春、
京都造形芸術大学情報デザイン学科の教室である。」
と書いてありました。
「え?」と思って、最後を見ると、田名網敬一さんの名前。


田名網さんは、束芋さんのデビュー作となった卒業制作
「にっぽんの台所」の過程に立ち会った教授だったのでした。
(今さら知ってすみません…。)

田名網敬一さんは、1991年から京都造形芸術大学教授に
就任されていて、現在は情報デザイン学科の学科長を
務められています。


束芋さん、宇川直宏さんは、田名網敬一さんの推薦で
同学科の教授になれたそうです。
(束芋さんは史上最年少の26歳で教授に就任されましたが、
すぐに辞任されたもよう。)


ヤノベケンジさんの「ウルトラファクトリー」があるのも、
京都造形芸術大学ですね。
(過去の関連記事:ヤノベケンジさんの絵本『トらやんの大冒険』版画展の記事書きました。

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