斎藤工さん『チェイス〜国税査察官〜』

2010年05月27日
【文】作者の個人的な話

NHK・土曜ドラマ『チェイス〜国税査察官〜』が先日終わったばかりなのですが、その連続ドラマに私が応援している斎藤工（さいとうたくみ）さんが出演されていました。

全6話だったのですが、第5話の終盤の麻生久美子さんとのシーンから一気にお芝居がうまくなったような気がします…！！（生意気なこと書いてすみません…）
きっと他の俳優陣にかなりの刺激を受けたからかと…！

キャストがベストメンバーで、この中に斎藤工さんが入ってて本当に嬉しいかぎりです。

主演は江口洋介さんで、国税査察官の春馬という男。仕事人間という役です。

対する天才脱税コンサルタントの村雲修次（むらくもしゅうじ）役を演じたのが、あのARATAさん。

そして村雲と行動を共にするのが、麗しのマドンナ麻生久美子さん（役名は歌織）。脱税の為に子どもを産みます。

斎藤工さんは、ARATAさん演じる村雲修次に騙される、人材派遣会社の若社長・檜山基一（ひやまきいち）役でした。

物語を引っ張る役ではなく翻弄される受け身の役ですが、全話に登場する重要なポジション！主に、ARATAさん・麻生久美子さんとのシーンが多く、お二人の呼吸の合わせ方など吸収しまくって欲しい…！と斎藤工さんを応援する身としては切に願ってました。

（ARATAさん＆麻生久美子さんは、共演回数が多い。よしもとよしとも氏の漫画が原作の映画『青い車』でも共演されています。映画館に観に行った思い出あり。）

斎藤工さんは、モデル時代に先輩であるARATAさんと一緒に仕事をしたことも何度かあったらしいです。

斎藤工さんは、初回〜第5話途中までは、残念ながらいつもの通り一人空回っていました（共演者とうまく掛け合えていないのと、役の人物としてその場に居る感じが弱い…という印象。例えば、自分の台詞を言い終えて相手が話している最中つい次にしゃべる番を待っている顔になってしまう）が、第5話で変わった気がします。

基一（斎藤工さん）が自分の口座を開こうとパスワードを入力しても開けず（村雲によって名義変更された）電話をしながら大慌てで自宅に帰ってきたところを、妻役の麻生久美子さんが赤ん坊を連れて出かける（村雲と空港で落ち合い逃亡するため）ところに出くわすシーン。基一が電話を中断し、どこに出かけるのか尋ねると、「散歩よ」と返されます。この時の演技が、それまでの斎藤工さんとは違う！同じ空気の中で掛け合ってるように見えました。基一が、頭パンク寸前の状態の中、出かけようとしている妻に一瞬フリーズする表情や、電話に戻る動作などとてもよかったです。

この時の電話のやり取りは英語でした。海外を旅慣れている斎藤さんは英語も話せる様子。
最終話の第6話の出番は、短いシーンが3つだけでしたが、やはり第5話同様これまでの斎藤さんよりずっと良かったです。

『チェイス〜国税査察官〜』の音楽は菊地成孔さんが担当されていて、オープニングテーマ・劇中・エンドテーマ全ての曲を手掛けられていました。エンドテーマ『退行』では、歌われています。歌詞の「赤ちゃんに戻ったの」など、村雲修次（吉弥）のテーマと言えそうな曲。なんともいえずムーディー。ナイーブで官能的。

ARATAさんは目がいいですよね。
最終話の独白シーンも、半分死んでるような目が鋭くにぶく光って良かったです。
あと、頭の刈り上げた部分が、全部隠してる時と半分見えてる時と全開な時があって、村雲のバロメーターみたいで「隠してる隠してる」「あ！全開になってる！」とかいつもチェックしてました。

また、春馬（江口洋介さん）の奥さんは第1話でいきなり飛行機事故で亡くなるのですが、その薄幸の妻役が木村多江さん。もうここはお約束といわんばかり。木村さんが「私、死ぬ役とか病気の役が多いんです…笑」と言ってる通りでした。

それと、春馬の部下の新人査察官を演じる田中圭さんが、漫画『DEATH NOTE』（デスノート）の松田桃太刑事のイメージにとても近くて、私は登場するたび「松田！」と呼んでました。実写版みたい。

奥田瑛二さんなどのベテラン勢が脇をかためてるし、岩松了さんもちょっと出てきたし、物語の終盤は、りりィさんまで出てきて。面白かったです。
檜山正道役の中村嘉葎雄さんはさすがで、居ると締まる。。
あと、春馬の娘役を演じた水野絵梨奈さんは初回からお芝居にキラっと光るものがありました。

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