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2009年に観た映画で面白かった作品

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2008年に観た映画で面白かった作品に続いて、今年も書こうと思います。

非常に個人的な感想な上に、私が2009年に観たというだけで、“2009年に上映された映画”というくくりではありません…。

今回は、記事の見やすさのために無理矢理ランキング形式にしてみます。

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ベスト3は、

1位『イージー・ライダー』


2位『スクール・オブ・ロック』


3位『カナリア』

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次に良かったのは、

4位『蛇にピアス』

5位『ぐるりのこと。』


6位『メゾン・ド・ヒミコ』

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その他に印象に残ったのは、

『全然大丈夫』


『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』


『劒岳 点の記』


『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』


です。

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それでは、以下にそれぞれの映画について書きます。
※カッコ内は、映画の上映された年と製作国。


●「これを観ずして何を観る」という気分になる金字塔的作品。
『イージー・ライダー』(1969年・アメリカ)

今さら観てごめんなさい!
最高。カッコイイ。間違いない。
主演の2人、ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが企画した映画。
当時の若者が憧れ真似した映画だが、いまだに色あせてない。

本編はのっけからドラッグ(マリファナ)登場。
役者やスタッフ達は、実際に使用しながら撮影していたらしい(カメラマンの方は、ちゃんと撮れないとまずいので素面だった)。
アドリブが多く、ドキュメンタリー的要素もある。例えば名脇役として登場するジャック・ニコルソン(のちにキューブリックの『シャイニング』で主演)がラリって宇宙の話をし始めるシーンは、本当にいっちゃってて楽しい。


ちなみに、私は7月に観てしっくりきた。鑑賞の季節は夏がお勧めかも。

姜尚中(かんさんじゅん)さん は、60歳までに大型2輪免許を取得して、この映画に出てくるハーレー・ダヴィッドソンで旅するのが夢だという。



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●コメディー映画の傑作。作り手の遊び心と愛情溢れる作品。
『スクール・オブ・ロック』(2003年・アメリカ)

ストーリーは、ロックバンドを脱退させられた男がお金欲しさに教師になりすましたが、そこでクラスの子供達にロックを教えることを思い付くというもの。


ジャック・ブラック演じる主人公が異様にハイテンションな男で、目まぐるしく変わる顔の表情やアクションに圧倒される。役にピタリとハマっていて、自身の持ち味が完璧に生かされていることがこの映画最大の魅力だが、実際に彼のために作られた物語だという。やり過ぎになりそうなところを、監督が抜群のコントロールで成功へと導いている。


そして、主人公に促されて楽器を演奏する生徒役に、プロのミュージシャン(小学生でプロ)を起用しているのもユニークな点。その他の裏方を任命されるクラスメイトには演技の達者な子役達が配置され、脇を固める。特に衣装担当の子の演技が上手い。

見逃せないのはエンドロールで、本編終了からスムーズに繋がり物語が続く。当時はなかったアイデアで、最後まで楽しませてくれる。まるでボーナストラック。



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●少年少女の演技真剣勝負。オウムを取りあげた挑戦的な作品。
『カナリア』(2004年・日本)

オウム真理教をモデルにしたと思われる「ニルヴァーナ」というカルト教団に入団していた少年と、偶然出会った援交少女の物語。

少年少女を演じた石田法嗣さん・谷村美月さんの両者は、堂々たる演技で映画を最後まで引っ張っていく。
DVDの音声解説で主演の二人が登場し、全く本人達のキャラが違うので尚更驚いた。学校の友達や先生が言った感想は「大変そうだね」だったらしい。たぶん、あまりに本格的で少しも学芸会っぽさが無いのでそんな言葉しか出なかったのではないだろうか…。


舞台裏では、元信者を演じた西島秀俊さんが子役達に人気で、待ち時間に一緒に遊んでいたとのこと(ちょっと意外で嬉しい情報)。

余談ですが、オウムといえば、村上春樹著『アンダーグラウンド』が良書です。地下鉄サリン事件の被害者に著者が直接インタビューし、事件当日の状況だけでなく一人一人がどんな人物でどのようにその日を迎えたのかを丁寧に真剣に聞き出しまとめた本で、自身初のドキュメンタリー作品。「被害者」というおおざっぱで匿名的なイメージではなく、個人に一歩も二歩も踏み込んでいて、本当に一体何が起きたのかということを教えてくれます。多数の取材拒否を乗り越えて作られた、意義のある本。



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続いて、4位〜6位。


●小さな閉じた世界が宝石箱みたいな映画。
『蛇にピアス』(2008年・日本)

蜷川幸雄監督作品、吉高由里子初主演映画。
原作は、金原ひとみさんの芥川賞受賞作品。

吉高由里子さんの女優魂炸裂!


恋人役の高良健吾さんもビリっとしてる(なんでこの人は話題にならないんだろう)。

なんとなく、映像化するとダサくなって失敗しそうな題材なのに、吉高由里子・高良健吾・ARATAの三者が見事に溶け合い一つの世界を構築していてカッコイイ。
刺青・身体改造・ヌード・SM・アル中…いろいろ満載。でもまとまってる。




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●夫婦について、うつについて、生きるについて。
『ぐるりのこと。』(2008年・日本)

うつ病の妻(木村多江)と妻を支える法廷画家の夫(リリー・フランキー)の物語。


木村多江さんの演技力がフル活動してる。
特に、書店で突然精神が不安定になり慌てふためく時の木村さんの表情・仕草が最高。

ところで、加瀬亮さんが1シーンだけ出ていて、異常犯罪者の役で法廷で証言する短いシーンなのだけど、奇天烈でインパクト大。強烈な緊迫感を放ち、もはや映画の流れから逸脱してしまっている。見終わった後に、「あれ、あのシーンのある映画ってなんだったっけ?……あぁぐるりのことか」と何度も思った。演技が良すぎる。惜しい…!(どんな姿で出てくるかはお楽しみ。)



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●魅力的な男達の共演。監督のバランス感覚が光る。
『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年・日本)

全体的に素敵なのだけど、特に物語の要となる卑弥呼(元ゲイバーのママで、ゲイのための老人ホームを建てた人物)の登場シーンがものすごく良い。
この場面だけでお腹いっぱいになれるくらい良いので、何度も繰り返し観てしまった。演じたのは田中泯さんという俳優。

次に良いのは、オダギリジョーさんと西島秀俊さんが2人で会話する場面。
この2人が一つの画面におさまって演技対決しているのが新鮮。

オダギリジョーさんは卑弥呼の愛人役として出演していて、ハマリ役。立ち振る舞いの艶っぽさとスタイルの良さが強調されている。小学生の男の子も落ちる美しさ。

本物のゲイの方も出演されてます。



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その他。

●心がほっこり、たまにドキドキする映画。
『全然大丈夫』(2008年・日本)

荒川良々初主演映画。
ポスターには荒川良々さん、木村佳乃さん、岡田義徳さんの3人が映っていて、3人が物語の中心人物。のはずが、ココリコの田中直樹さんの演技が良すぎちゃって、全部もっていかれてる。全体的に面白いです。
木村佳乃さんもとても可愛い。
主人公に活を入れる、お金持ちのおじさんの台詞もいい。




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●恐ろしいけどチャーミングなブラックコメディ。
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2005年・日本)

女優になる夢を反対され逆上して父親を刺してしまった姉の事件を、妹がこっそり漫画に描き雑誌に投稿。まんまと賞を獲ってしまいバレて姉妹関係&一家が大変…という家族の恥部を描いた物語。
サトエリ(佐藤江梨子)の脚線美が遺憾無く発揮されている。
全体的に意欲的で好感のもてる作品。
劇中の漫画は、呪みちるさんの作画。


眼帯姿の永作博美さんは、いかにもマニア受けしそう。



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次の2作は、劇場で観たものの中から取り上げたい作品。

●まさしく三角うさぎの物語。
『劒岳 点の記』(2009年・日本)

計るためだけに、命をかけて山に登りテントを立て缶詰を開け、にぎりめしを食
う…個人的に「三角うさぎだ!」と思った。
テント生活で飯ごうを炊く、三角うさぎ
恋愛がからまず若者にウケなそうな題材で、上映が実現したこと自体貴重な作品だと思う。


山の案内人役を演じた香川照之さんが、本物に見える。
ヨーロッパかぶれの登山趣味人を演じた仲村トオルさんが、ぴったり過ぎて面白い。



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●ライブを観ているようなドキュメンタリー映画。
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009年・アメリカ)

こちらに関しては、過去記事をご覧下さい。



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映画についての記事:
マイケル・ジャクソン THIS IS IT

映画「ホノカアボーイ」のイベント開催の記事、書きました。

ガロの漫画家・安部愼一さん作『美代子阿佐ヶ谷気分』映画化の記事、書きました。

映画「おくりびと」アカデミー賞で日本映画初の外国語映画賞を受賞

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